まゆハ行政書士事務所
親なきあと支援・民事信託コンサルタント/代表行政書士 麥生田 勇

後見制度

成年後見制度の見直し(2026年改正)と、親なきあとの備えで今できること

成年後見制度(法定後見・任意後見)の仕組みと、2026年6月に成立した見直しの要点、施行までに確認したいことを法務省・裁判所の案内に基づいて説明します。

成年後見制度には2つの仕組みがある

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方を保護し、支援する制度です。法務省の案内では、大きく「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つに分かれます。法定後見制度は、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があり、家庭裁判所が成年後見人・保佐人・補助人を選びます。 [1]

任意後見制度は、ご本人に十分な判断能力があるうちに、将来お願いする人(任意後見人)と任せる事務の内容を、公正証書による契約で決めておく仕組みです。契約をしただけでは効力は生じず、判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。 [2]

2026年6月に見直しの改正法が成立

2026年(令和8年)6月17日、成年後見制度と遺言制度の見直しを内容とする「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)が成立し、同月24日に公布されました。成年後見制度については、後見と保佐の制度を廃止して補助の制度に一元化し、本人にとって必要な範囲で利用できるようにすることが柱とされています。 [3]

改正法には、施行の時点ですでに後見・保佐・補助を利用している方の扱いを定める経過措置も置かれています。 [3]

いつから変わるのか

成年後見制度の見直し部分の施行日は、「公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。この記事の情報確認日の時点で、具体的な施行日を定める政令は確認できていません。施行までは現在の制度(後見・保佐・補助と任意後見)が適用されます。 [3]

親なきあとの備えとして、今できること

法定後見の申立ては、家庭裁判所に対して行います。大阪家庭裁判所の案内では、申立先は、ご本人が現在お住まいの住所地(入所施設や入院先を含み、住民票の住所地とは限りません)によって決まります。申立書などの書式は、最高裁判所の「後見ポータルサイト」に掲載されていると案内されています。 [4]

制度の見直しが進んでいる時期だからこそ、次のような整理から始めることをおすすめします(以下は当事務所からの編集上の提案です)。

  • お子さんご本人が、どんな場面で、どんな手伝いを必要としているか(お金の管理、契約、手続など)を書き出す
  • 親御さん自身の判断能力が低下したときに備え、任意後見契約で「誰に・何を」お願いするかを考えておく
  • 今すぐ後見等の申立てが必要か、施行後の新しい制度を待てるのかを、家庭裁判所や関係機関の案内を確認しながら考える

参考情報・出典

  1. 法務省「Q1~Q2 成年後見制度について」資料の日付:不明。対象地域:全国。参照箇所:成年後見制度の概要、法定後見制度と任意後見制度。取得・確認日:2026年10月12日。
  2. 法務省「Q16~Q20 任意後見制度について」資料の日付:不明。対象地域:全国。参照箇所:任意後見制度の概要、任意後見監督人の選任と契約の効力。取得・確認日:2026年10月12日。
  3. 法務省「『民法等の一部を改正する法律』(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」資料の日付:不明(2026年6月24日の公布以降の掲載)。対象地域:全国。参照箇所:成立・公布、改正の概要(補助への一元化)、施行期日、経過措置。取得・確認日:2026年10月12日。
  4. 大阪家庭裁判所「成年後見制度(後見・保佐・補助)」資料の日付:不明。対象地域:大阪家庭裁判所の管轄区域。参照箇所:申立て先の裁判所(管轄)、申立書の書式(後見ポータルサイト)。取得・確認日:2026年10月12日。

後見制度の利用と当事務所への相談について

法定後見の申立ては家庭裁判所に対して行います。申立書類の作成は司法書士・弁護士の業務です。当事務所は、任意後見契約書・見守り契約書の文案作成など、行政書士が取り扱える書類のご相談をお受けします。

内容に応じて、司法書士・弁護士など関係する専門職へおつなぎします。

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